熊本県は、良質な地下水に恵まれた地下水で賄う世界的にもまれな「水の都」であります。この地下水を軸とする熊本の水循環システムは、阿蘇から有明海に亘る数十キロ圏内に備わり、豊かな実りをもたらす農地を支えるとともに、有明海・八代海という我が国最大の広さを誇る干潟を産み出し、豊富な水産資源を育んでいます。この水循環は、阿蘇山等の火山活動で長い年月を経て形成された火山性地質と年平均降雨量が3000mm に達する山間地域での降雨の恩恵であります。その一方で、これら自然環境の特質は水害や土砂災害も多発させています。また、活火山である阿蘇山には「噴火」のリスクがつきまとい、有明海・八代海では日本最大の干満差が被害を増大させる「高潮」のリスクに曝されています。さらに最近は、地下水の水位低下や硝酸性窒素などによる水質の悪化、干潟・沿岸環境の劣化や水産資源の減少が深刻化しています。

 センターには、地下水循環部門、沿岸環境部門、減災型社会システム部門、地域デザイン部門の4 部門が配置され、上記にみられる熊本の特徴を活かした地下水循環・沿岸環境・減災・地域づくりの研究を総合的かつ実践的に推進し、得られた学術的知見を活用して学生及び社会人の人材育成を行うとともに、さらにその成果を、アジア・モンスーン地域を含めた国内外に発信、展開し、この活動を通じて熊本創生に貢献することを目標としています。それと同時に2016年熊本地震で被災した地域の復興を支援していきます。   また、本センターには海洋施設として天草に合津マリンステーションがあり、関連分野のフィールド研究を行うとともに、その地域性と施設を生かして学内外の学生の臨海実習、小・中・高校生や一般社会人への環境教育なども実施しています。

Research Theme

  • 熊本の地下水水質特性と水循環システムとの関係
  • 熊本地域の地下水涵養における水田農業の役割(の評価)
  • 元素及び有機物の循環と一次生産
  • 水中の健康関連微生物

 100万人の人口を有する熊本市とその近郊域は、飲用水の全てを地下水で賄う、世界的にも希な“地下水都市圏”を成します。地下水循環部門では、工学、農学、社会学等の異分野連携のもと、地圏ー水圏ー気圏による熊本の水循環機構を解明し、人間活動との関係を明らかにします。

Member

  • [部門長] 川越保徳
  • 濱 武英
  • 伊藤紘晃

Research Theme

  • 底生生物の生物多様性、生活史特性、繁殖・採餌行動、群集構造、宿主と寄生種の種間関係などの研究
  • 水産資源の管理と持続的利用に関する研究
  • 沿岸環境のモニタリングと保全・再生・創生に関する研究

 有明海・八代海をはじめとする干潟沿岸域の生物多様性や生態系の解明、持続的な水産資源の保全・開発、海底環境の変遷の分析、自然調和型の沿岸域の保全・開発・防災などの教育研究を行い、得られた成果を地元に還元し、より良い地域環境を保全・創造するための教育研究を行います。

Member

  • [部門長] 逸見泰久
  • 瀧尾 進
  • 秋元和實
  • 嶋永元裕

Research Theme

  • 熊本地域における災害の自然・社会経済メカニズムに関する調査研究
  • 熊本地域をモデルケースとした防災・減災社会技術の開発と実装
  • 地域に根ざした防災・減災教育

 持続可能な減災型地域社会実現に向けて、研究成果を実践にまでを繋げることを目的とし、 1.減災型自然・社会基盤システム研究推進分野、2.社会技術実装分野、3.防災・減災教育推進分野 の3分野を有し、幅広い防災・減災に関する研究教育を推進すると共に、減災型社会システムの構築に資する人材の育成を図ります。

Member

  • 藤見俊夫
  • 長谷中利昭
  • 鳥井真之

Research Theme

  • 益城町の復興まちづくりに関する実践的研究
  • 復旧から復興へのシームレスなコミュニティ復興デザインの研究
  • レジリエントな地域を創造するデザイン
  • マルチハザードに対応した土地利用計画の研究
  • 災害復興時の望ましい社会調査に関する研究

 本学における分野横断型研究の成果に基づき、災害に強く、生活の質の高い地域の実現を目指した社会貢献・社会実装活動に取り組みます。具体的には、熊本地震の被災地益城町におけるサテライト施設「ましきラボ」を一つの拠点として、行政と住民のつなぎ役としての復興支援などを実施しています。

Member

  • [部門長] 柿本竜治
  • 星野裕司
  • 円山琢也