水資源の確保が近未来の世界的重要課題になることは論をまたず、地表水に比べて質、量ともに安定した地下水は優れた水資源です。我が国では、水道水源を地下水以外に依存しており、地下水を主要水源としている地域、都市は約20%しかありませんが、世界に視点を向けると、欧米諸国、アジアの大都市をはじめ、世界の多くの地域で人々の生命と生活を支えています。また、世界の各所で起こる「水」をめぐっての紛争は、地下水が国や地域レベルの戦略的資源として、その重要性を増していることを示しています。
熊本は、世界的にも珍しい、地下水を軸とする優れた水循環システムを有しています。熊本市では100%、熊本県でも約80%の飲用水を地下水のみに頼っており、地下水は熊本にとっての宝であると言っても過言ではないでしょう。さらに熊本の水循環システムでは、白川の流域をはじめとして、表流水と地下水がともに農業生産を生み出し、なおかつ、水田などの営農が地下水資源を生み出すという「農」と「水」の二つの資源の循環があらゆる生産を支える特筆すべき基盤となっています。
地下水循環部門は、熊本が誇る地下水を軸とする水循環システムのメカニズム解明と地下水資源の保全に関する研究成果を通じて、地下水資源の持続戦略的利用を可能にする地下水循環モデルの構築と流域グランドデザインの創生を行い、地域への、社会への貢献を果たすとともに、その類似性が予想されるアジア・モンスーン諸国、地域への展開と貢献を目指します。
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