「ひのくに災史録」は、平成28年熊本地震の被害や復旧・復興の過程で得られたノウハウや教訓等を記録・整理してデジタルアーカイブとして蓄積し、今後の復興支援や防災教育等に活用することを目的として構築を進めています。
熊本大学の前身である第五高等学校で学び「天災は忘れた頃にやってくる」の言葉を残した物理学者 寺田寅彦にあやかり、活動チームTERADA(Team of Education and Research According Digital Archive)を設置し次の3つの方針に基づいて活動を進めています。
熊本大学構内における熊本地震の記憶の継承地を、学生を対象としたアンケート調査から抽出し、デジタルアーカイブと連動した伝承看板の設置と活用方法を検討しています。また、災害時の学生行動を整理し、新入生に向けた熊本地震の伝承と備えの向上を目的とした映像作成に取組んでいます。
デジタルアーカイブは、どこにいても災害などの写真や動画、音声を閲覧することが可能になる他、データの劣化を考慮することなく膨大な量のデータの保存できるが可能であることが大きな特徴です。震災直後だけでなく、復旧・復興への変遷に関わるデータ、豪雨災害や高潮災害、火山災害などの熊本におけるこれまでの災害に関するデータを収集し提示するデータ構築のあり方を検討しています。
「ひのくに災史録」の活用事例・データ構築事例を2011年東日本大震災をアーカイブする東北大学やハーバード大学や2014年神城断層地震、令和元年台風災害をアーカイブする信州大学と共有し、アーカイブデータを利用した研究・教育の連携・交流に取組み、活用に向けた教育プログラムの開発・検証を行っています。