平成28年熊本地震から4年と4ヶ月余りが経過しました。その間,復旧・復興へと人々が携わる中,災害の状況や経験,教訓を記録し伝える「記憶の継承の取り組み」が様々な形で行われています。
 熊本大学では平成29年度よりデジタルアーカイブ室を設置し,熊本地震の記憶や教訓を記録し後世に伝えるためにアーカイブ「ひのくに災史録」の構築を進めています。令和元年からはくまもと水循環・減災研究教育センターにデジタルアーカイブ室が移設され,特に経験や教訓を伝え次への備えにつなげる議論を重ねています。
 議論は,熊本大学の前身である第五高等学校で学び「天災は忘れた頃にやってくる」の言葉を残した物理学者 寺田寅彦にあやかり,学生と教員でTeam of Education and Research According Digital Archive= TERADAを結成し,「データと人をつなぐ」,「できなかったこと,できなかったことをつなぐ」,「現場と教育をつなぐ」の3つの視点から行なっています。
 熊本大学ではこの3月に平成28年熊本地震を経験した多くの学生が卒業し,経験していない学生にどのようにその経験と教訓を伝えるのか次なる局面を迎えています。TERADAも熊本地震を経験していない学生をメンバーに迎え,新たな議論を展開していきます。
 このFacebookでは,アーカイブ「ひのくに災史録」の構築とTERADAの活動について随時報告していきます。さまざまな皆様のご意見と共に「ひのくに災史録」とTERADAの成長を共有・記録する場になればと考えています。
どうぞよろしくお願いします。

令和2年(2020年)8月
 デジタルアーカイブ室 室長 竹内裕希子