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熊本大学

熊本大学 くまもと水循環・減災研究教育センター

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沿岸環境部門

部門の研究

研究実習船

2014年9月竣工
ドルフィン・スーパーチャレンジャー

熊本大学が新造した沿岸環境先端教育研究用実習調査船「ドルフィン・スーパーチャレンジャー(谷口功前学長が命名)」は、平成26年8月29日に納品され、9月3日に竣工式を迎えました。現在、操縦訓練とシステム調整をしています。

 有明海・八代海は、人為的影響を受けやすい閉鎖性内湾です。国内最大の干潟が広がり、底質も沿岸(泥)-湾央(砂)-湾口(露岩・礫)と多様です。絶滅危惧種を含む、国内で無二の生物相は国際的にも価値が高く、生息環境の正確な解析には、異なる学術分野を統合した多面的研究と先端的教育が必要です。

 新船の設計を担当した秋元和實准教授(沿岸域環境科学教育研究センター)は、最先端の統合型教育研究を可能にする設備と性能を検討しました。新たな設備は、浅海を安全に航行するために周辺の海底を詳細に観察するソナー、潮流や風の影響下でも環境測定や試料採集を可能にするDGPSと複数の推進機による定位保持、最新の精密測定機器用のインバーター制御発電機、ロボットや試料採集機器用の特殊な昇降装置、バクテリアや環境攪乱化学物質の試料を保存する冷蔵冷凍庫です。安全のために、船長と乗船者が緊密に連絡できるように研究室と操舵室は連続した配置であり、会話を妨げないように機関室の壁は防音であり、窓の結露による視認性が低下しないように空調しています。

 船名は、歴代の実習船「ドルフィン」で得られた成果を基に、世界で注目される教育研究を推進する気持ちを表しています。学内外の研究者との共同運用による有明海・八代海の調査は、環境科学分野の先端的研究にとどまらず、台風常襲地域で多発する高潮などの海象災害の防災に向けた行政の意思決定に対する高度な技術的アドバイスなどに反映させることも期待されます。

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